私は光の守護聖ジュリアスである。
今日から後学の為に日記をつけることとする。
というのも、私の努力が全くもって報われていない現状に如何ともし難い思いを抱いているからである。
私はここに宣言する。必ずや目的は達するものとすると!
それでは、今日はここで筆を置こう。
降誕祭とは何なのであろうか?
ゼフェル達が執務室の前で騒いでいたので、聞こえてしまったのだ。
断じて聞き耳を立てたのではない!
しかし、降誕祭・・・。なんであろうか。
祭とつくのだから、やはり祭りなのであろうな。
他の者は皆知っていることなのであろうか?
・・・・・・クラヴィスも?
いや、別に他意はないのだが。
しかし、やはり気になる。
首座たるもの如何なる事にも通じていなくてはならぬ。
明日、研究院に調べに行こう。
いや、図書室の方がよいだろうか?
とにかく今日はこれまでだ。
今日は月の曜日なので朝儀があった。
常の通りクラヴィスは来ず、ゼフェルは遅刻であったが、滞りなく済んだ。
私はとにかく「降誕祭」なるものが気になっており、あろうことか朝儀を上の空で終えてしまったのだ。これは反省せねばならない。首座としてあるまじき事だ。今後このようなことがないように、敢えてここに記そう。
それはそれとして、「降誕祭」の謎は意外に早く解決したのだ。
朝儀の後早速研究院に調べに行こうと、気もそぞろに立ち上がった所、目の前に気づかぬうちにルヴァが立っていたのだ。全く気配がないというのはやっかいなものだ。まるでクラヴィスのようにな。
とにかくルヴァが「降誕祭」について知っていたのは幸いした。
なんでも惑星ガイアの民の約90%が信仰している宗教(女王陛下以外に信ずるものがあるのは些か問題なのだが)の始祖の生誕日であるらしい。惑星ガイアとは別名水の惑星とも呼ばれ、地:水が2:8の地表がほぼ水に覆われてるらしい。
その姿は蒼く輝き、他の惑星を圧倒するほどの美しさだという。ルヴァの言うのには、まるで私の瞳のような蒼なのだと。そのようなことを言うとは、ルヴァには驚かされた。まるで、オスカーのような台詞ではないか。
何でも降誕祭には贈り物を贈りあう習慣があるそうだ。子供には両親から、恋人には恋人からと。子供の枕もとに寝ているうちにプレゼントを置くなどと、何と素晴らしい思いつきなのであろうか!
ゼフェル達が騒ぐのも分かった気がした。
昨夜褥に入り半刻ほどたった頃、何者かが部屋にいる気配がしたのだ。
明かりをつけ、誰何すると、果たしてそこには意外な人物がいた。
・・・・・・・クラヴィスだった。
もしや、降誕祭のプレゼントを持ってきたのか?
まだ20日ほど先ではないか。
まだ時期が早すぎるので、24日に出直してくるように、と言っておいた。
クラヴィスも案外そそっかしいのだな。
今日は一日ソレを思い出しては笑みが零れてしまい、顔を引き締めるのに苦労した。
最近は疎遠になっていたので、正直嬉しかったのだ。
親しい者同士の贈り合うプレゼントを私にというのが、とても嬉しかったのだ。
しかし、そうなると私も何かクラヴィスの為に用意せねばならぬ。
何が良いだろうか。
女王陛下を信ずる身としては不謹慎であろうか?
クラヴィスにもそう言って嗜めるべきであろうか?
だがソレは杞憂に終わった。
何と女王陛下自ら企画して、聖地で降誕祭をするのだそうだ!
まったく女王になっても色々やってくれるものだ。
一応女王陛下以外のものを信ずるのは好ましくないので、進言しておいたが、正直辛かった。クラヴィスの友情を踏みにじるような真似ではないか・・・。
だが、陛下は降誕祭を聖地に合うようアレンジして、女王を奉る祭りにしたのだ。
それならば何も文句のあろうはずがない。但し調子に乗せてはまた無謀な計画を立てかねないので、釘はさしておいたが。
まあとにかく、クラヴィスが私のことを嫌っていないことが分かってよかった。
| 2000年12月06日(水) 努力が報われるということ。 |
クラヴィスが私を嫌っていないと言うことは、目的達成の為に何歩も前進したという事だ!
私は必ずやあの者の怠惰な生活を改めさせるのだ!
しかし、最近すっかり自信をなくしていた。毎日毎日クドイほどに言い聞かせても一向に態度を改めるでもない。そうこうするうちに何やら避けられているのではないか、と思われることが多々あったのだ。
よくよく考えてみれば、私など鬱陶しいにちがいない。いつも怒鳴るばかりで何ら人を楽しませる術もない。
アレの好むような楽を奏でられるでもないし、珍しい花を作れるわけでもなく、弁も立たぬ。すっかり自信喪失していた自分を鼓舞するためにこの日記を始めたのだが、意外にもクラヴィスはアレなりに私の事を理解していてくれたらしい。
この期を逃さず親密になってやんわりと怠惰な生活を直させるのだ!