ジュリアスの日記
降誕祭に至るまでの日記です。

 

2000年12月07日(木) オスカー

オスカーの事はかなりの所まで把握していたと思っていたが、中々どうしてそうはいかなかったらしい。
と言うのも、何気なくクラヴィスの突然の訪問話をしたところ、突然血相を変えて微に入り細に入りあの夜のことを訊くのだから。
今までオスカーの事はさっぱりとした性格だと思っていたが、あのように根掘り葉掘り訊かれるとさすがに嫌気がさすものだ。
その上24日の夜に私邸に来ると言う。クラヴィスとオスカーはお世辞にも仲が良いとは言えない。その二人が鉢合わせたら、上手くいくものも行かなくなるではないか。
は!もしやオスカーもクラヴィスと仲良くなりたいのか?それならば、私は短慮であったか?しかし、そのような雰囲気ではなかったが・・・。明日確かめた方が良いかもしれぬ。
それにしても人と言うのは、いくら理解していると思ってもそうではないのだな。
今日はオスカーの新たな一面を知った日であった。

そう言えば、今日はクラヴィスは星見をしている筈だ。この星から何を読み取るのであろうな。私にはただ美しく輝いているだけに見えるが・・・。
それにしても冬の空は本当に美しく物悲しい。まるでクラヴィスのようだな。
もう休むとしよう。明日も早いのでな。明日はクラヴィスと、昼食でも共にとることにしよう。昼までに出仕すればいいが・・・。

 

2000年12月08日(金) 昼食を共に・・・

責めてはならぬ。分かってはいるのだ。だが・・・(涙)
昨夜遅かったのだし、私は会話が苦手だし、仕方がないのだ。仕方が・・・。
・・・・・・・だが、何も食事中に寝なくとも良いのではないか?

クラヴィスの執務室に赴いたのは、もう正午を半時も過ぎた頃で、もしかしたらまだ出仕していないかもしれぬと思っていたのだ。
予想に反して、クラヴィスは出仕していた。薄暗い部屋の中で微睡んでいたようだった。声をかけると僅かに影が揺れ、しばらくするとクラヴィスが立ち上がって来たのだ。
昼食を共に、と言うと僅かに眉を上げて顔を覗き込まれた。
断られるかとも思ったのだが、そのような気遣いは無用であった。
最初のうちこそ会話が弾まなかったが、私はそれなりに楽しい時間を過ごせたと思っていたのだ。だが、クラヴィスはそうではなかったようだ。
しかし、人はそれぞれ違うものなのだし、それはそれで仕方のないことで、私がそのようなことに拘るのが悪いのだ。
食事の途中で寝てしまったのは、星見で睡眠が足りていなかったのだろうし、実際私との食事がつまらなかったのだと思う。
ただ、とても悲しかった。
やはり私達は相容れない存在なのであろうか・・・。

今日は悲しくて眠れぬかもしれぬ(涙)

2000年12月09日(土) 土の曜日には連れてって

昨夜はやはりよく眠れなかった。
朝から気分が優れぬ。
顔も少し腫れているようだし、眼も赤い。とても人には見せられぬ顔だ。
執事にも今日は外出の予定はないと言っておいた。
一日部屋の中で過ごすつもりだったのだ。
今日は読書でもして・・・などと思っていたら、ドアにノックの音がした。
何事かと思ったら、オスカーの来訪だという。何か緊急事態かと思い、部屋に通したのだ。
オスカーは私を一目見るなり、眉間に皺を寄せ、見る間に目の前に立っていた。
寝不足なのはすぐに知れたようで、理由を尋ねられた。
なんとも答えられずにいると、少し外出しようとの事。
何か火急の用があるのでは?との問いには答えず、手をひっぱられて外に散れ出された。
外は眩しいくらいの上天気で、寝不足の私には少々辛かったが、新鮮な空気は身体に染み渡るようで気持ちが良かった。
オスカーは馬で来ていたらしく、後ろに乗せられ、よく二人で行く聖地を見下ろす丘に連れて行かれた。
オスカーはもう何も訊かず、そのまま二人で日が翳るまで聖地の景色を眺めていた。
オスカーが連れ出してくれたおかげで、気分が少し上向きになったようだった。
やはり、オスカーとはよく分かり合えるようだ。
この前は少々キツイ事を言って悪かった。明日にでも食事に誘おうかと思う。

2000年12月10日(日) 謎の行動

昨日のオスカーとの外出が良かったのか、今日はぐっすり眠れた。
早速今日の昼食か夕食にでもオスカーを誘おうと執事に言付けたところ、クラヴィスが朝からこちらに来るとの事。
急遽オスカーの件はそのままに、出迎えるためにアレの好みそうな物を取り揃えようと思った・・・のだが、何が好みなのかが分からないということに気づいた。
もう20年もの間共にこの地で過ごしておきながら、こんなにも知らぬことが多いとは・・・。
そうこうするうちに、クラヴィスはやってきてしまった。
決して嫌味を言うつもりはなかったのだが、朝のうちに顔を見るなどと(それも休日に)珍しかったので、そのまま言ってしまったのだ。
クラヴィスは一瞬眉を顰めたようだった。機嫌をそこねたのであろうか?
それにしても、本当に何の用で来たのか、未だによく分からない。
ほとんど会話もなかったのだし。
結局昼食を共に取り、日が暮れた頃に帰っていったのだが。

今聞いたのだが、どうやらクラヴィスは昨日も昼頃に来たのだそうだ。
何故言わなかったのかと執事を問い詰めると、クラヴィスに口止めされていたという。
何のつもりなのだ?
やはりあの者の考えていることは分からぬ。
その上、私に降誕祭の前夜の念押しまでしていったのだ!
忘れるわけがなかろう・・・そのように信用がないのであろうか。

 

2000年12月11日(月) 起こし方?

今日は月の曜日。
いつものようにクラヴィスは欠席、ゼフェルが遅刻で朝儀が始まる・・・筈だった。
しかし、今朝は珍しく、本当に珍しく、クラヴィスが最初から席についていたのだ!
遅刻して出席ということは、偶にあったのだが、朝儀が始まる10分も前に席についていようとは・・・。一体何がおこったのであろうか?
皆一様に驚きを隠せぬようで、リュミエールなどは涙ぐむ程の喜びようであった。
斯く言う私は、思わずクラヴィスの額に手を当ててしまった程動揺していた。
しかし、やはりというべきか、朝儀の途中からクラヴィスが項垂れているとは思っていたが、案の定居眠りをしていたのだ。
リュミエールが揺すったぐらいでは起きるわけもなく、結局私の一喝しか効かなかったのだ。
それにしても、もう少し気の効いた起こし方とはどういうことだ?
意味がわからぬ。
起きぬか馬鹿者!はダメなのか?一発で起きたではないか。
厳しさが足りぬのか?
それにしても答えぬとは卑怯なヤツだ。自分で考えろとは・・・。
執務室でオスカーに尋ねると、口篭もり中々教えぬ。
そればかりか、怒らぬかなどと!私はそんなに短気ではない!!

しかし・・・それにしても・・・・・・・(赤面)
あのような起こし方が世の中にあるのか・・・。ああ、恥ずかしくてここには書けぬ。
その上クラヴィスに?無理だ絶対に!
しかし、明日からはそれで起こしてやるなどと・・・短慮であった。
どうすれば良いのだ・・・。